とうほくNPOフォーラムin南相馬2020 Section 4《クロージング》

開催報告

Section 4 《クロージング》連携の先に期待するもの

吹田博史氏 武田薬品工業株式会社
グローバルコーポレートアフェアーズ グローバルCSR&パートナーシップストラテジー ジャパンCSRヘッド

田尻佳史氏 特定非営利活動法人日本NPOセンター 常務理事

左:田尻佳史  右:吹田博史 氏

クロージングでは基調講演から各セクションを振り返りながら、企業の視点についてお話をいただきました。

  • NPOの役割

吹 田:基調講演では、企業はNPOとつながることで社会課題が知ることができ、それらを解決するために、企業とNPOとの協働がより重要になるということが述べられました。今後、企業とNPOとの連携はますます進むものと思いました。

田 尻NPOには、社会課題とつなぐこと、行政や企業ができない隙間を埋めることの2つの役割がありますね。

  • NPOと企業からの発信で信頼を生む

吹 田:分科会Cからは、NPOと連携した企業が情報を発信することによって、課題解決に取り組むNPOの存在が明らかになること、また、そういったNPOとつながりたいという企業ニーズの創出も期待できることがわかりました。さらに、企業が社内で発信することによって、ボランティアとしてNPO活動に参加したいという従業員が出てくるのではないかと思いました。

田 尻:信頼獲得のためにNPOは事業や会計報告といった情報開示だけでなく、パートナーの名前も発信することも大事。企業の信頼が団体の信頼につながります。「この企業とパートナーとしてやれているのであれば我々とも」という新たな連携を生み出す可能性もあります。さらに企業から発信してもらえると企業と連携した組織であると認めてもらえるし、従業員や関係者など企業でいうステークホルダーにも認めてもらえるということですね。

  • 思いだけでなく数字で示す

吹 田:分科会Aでは、外からNPOが地域に入る際には、地域に活動基盤を作ることが必要という話がポイントだと思いました。

分科会Bは、KPIがキーワード。NPOの思いや重要な社会課題に取り組んでいるのはわかりますが、何をめざすのかといったゴール設定と、いつまでに、だれが、どのように、何をやるのか数字で表すことも必要でしょう。企業がNPOと連携する場合、その目的が企業理念に合致していて、NPO・企業ともめざすゴールが共有できていることを、定量・定性的に見せるというのも一つの方法です。また、企業は従業員の満足度を高めたいと考えているので、従業員の活動参加を促すことも重要です。

田 尻:従業員に参加してもらえるようなプログラムの工夫も重要になりますね。

  • 地域の企業へのアプローチのヒント

吹 田:分科会Cでは、震災課題から社会課題・地域課題に移る中で、持続可能な取り組みとするために、地域の企業をどのように巻き込んでいくのかが気になりました。

田 尻:震災から10年経過し、地域の企業の関わり方も少しずつ変わってきたのではないかと思います。地元企業を巻き込むヒントは?

吹 田:行政と企業がどんな協定を結んでいるのかを知ることで、企業の関心事やその企業の得意分野を知ることができます。そういう視点をもってアプローチをしていくことも、企業との連携の一つの手がかりになるのではないかと考えています。

田 尻:ライオンズクラブ、ロータリークラブ、青年会議所などに経営者が参加していることもアプローチする際のヒントになるのではないかと思います。

  • 連携のその先

田 尻SDGsの考えが広がり、多くの企業が社会貢献活動をしようと動き出しています。企業がテーマを決め、その分野のNPOに事業を委託する事例が増えていますが、一緒にいいもの・ないものを作り上げていく、うまくいかないことも一緒に解決していくという連携はなかなか広がらないのが現状です。

吹 田:連携の先に期待するものは、社会課題が解決できるかどうかということです。武田薬品工業の東日本大震災の支援活動では、受益者が100万人という数字が出ましたが、こういう数字にはパワーがあります。企業とNPOが連携した結果をしっかりと開示することが、協働の証になります。

 

(記:中津涼子/多賀城市市民活動サポートセンター)