とうほくNPOフォーラムin南相馬2020 Section 3《NPOと地域》

開催報告

《NPOと地域》 持続的な協働をめざして

《登壇者》
田中 雅子 氏 こども∞感ぱにー代表理事 
菅野 道生 氏 岩手県立大学社会福祉学部社会福祉学科准教授 

《コーディネーター》
佐藤 賢    気仙沼まち大学運営協議会 (フォーラム実行委員)

左:菅野道夫 氏  中央:田中雅子 氏 右:佐藤 賢

セクション3では、「NPOと地域-持続的な協働を目指して-」をテーマに、課題解決に必要な主体と役割は何かを探り、この先の地域のあり方を考えました。

 

田中雅子さんは、東日本大震災を機に宮城県石巻市入りし、津浪で失われた子どもの遊び場・居場所づくりを行ってきました。現在、課題が子どもの居場所の少なさ、不登校の増加、学校と地域の関係の希薄さなどから生じる社会課題に変化しています。これらを解決するには、単独の取り組みだけで対応することは困難と考え、子どもを軸に地域コミュニティの再構築を目指すため、つなぎ役となってネットワーク組織を設立しました。皆で合言葉(共通認識)を作り可視化することで、目標がぶれることなく官民が一体となり課題解決に取り組んでいるお話をいただきました。

 

菅野道生さんからは地域協働に必要となる要素のお話をいただきました。協働の前提となるのは、セクター間に日常的関係性があるかどうかで、その関わりを強め課題解決に向けて業務や立場を取り払って関われるように環境づくりを行う「ネットワーカー(つなぎ役)」の存在が重要であること、そして、地域課題解決の取り組みには、組織間だけでなく住民=個人がパートナーとして関わっていること大切であり、初めから同じ負担で関わることを求めず、関与のグラデーション(段階・濃淡)を用意しておくことが必要であるというお話をいただきました。

NPOは活動から課題が見えやすく、思いで動ける自由度の高い立場であることから、地域のハブ/コーディネーターとして、また、住民参加のチャンネルとなることにより、持続的な連携・協働のあと押しをする役割を担うというまとめとなりました。

 

(記:塚本 卓/一般社団法人気仙沼まちづくり支援センター)