
2026年3月3日(火)、釜石市の拠点「みんなの家・かだって」+オンラインのハイブリッドイベント「福祉と防災のDX」をテーマとしたシンポジウムを開催しました。
今回のシンポジウムでは、釜石をフィールドにこれまで3年間取り組んできた活動を振り返りながら
福祉と防災の課題の背景には「孤独・孤立」があり、
デジタルはそれを支える“道具”として活用する必要がある
という認識が共有されました。
また、防災と福祉は別々の分野ではなく
「平時のつながり」をどう維持するか
という共通の課題を持っていることが改めて確認されました。

この記事の目次
シンポジウム開催の背景
震災後の活動から見えてきた地域課題
東日本大震災後、地域で見守り活動を続けていく中で見えてきたのは、地域の多くの課題の背景に 孤独・孤立 があるということでした。
高齢化や人口減少が進む中で
-
情報が届かない
-
人とのつながりが弱くなる
-
必要な支援につながらない
といった状況が生まれています。
そこで今回のシンポジウムでは次の問いを共有しました。
デジタルは人を支える道具になっているか。
その仕組みは止まらずに続く構造になっているか。
年賀寄付助成金事業としての3年間の取り組み
今回の取り組みは、日本郵便の年賀寄付助成金を活用して進めてきました。
釜石をフィールドに、福祉・防災・デジタルをテーマに
2023年
DXを地域の言葉で考える
2024年
デジタルを暮らしの中で試す
2025年
地域福祉の視点から整理し次へつなぐ
という流れで、活動を実施してきました。
そして、活動拠点となっているのが、地域の居場所 「みんなの家」 です。
ここでの活動を通して見えてきたのは、デジタルだけでは課題は解決しないということでした。
むしろ重要なのは人と人のつながりであり、デジタルはそれを支える道具として使われる必要があるということです。

釜石市アンケートから見えた課題
事業の一環として、住民と福祉事業者を対象にアンケートを実施しました。
調査対象
-
住民:400世帯(回答75)
-
福祉事業者:36団体(回答12)
調査から見えてきたのは情報はあるが、活用されていないという状況でした。
住民からは
-
スマートフォンを使いこなせない
-
福祉制度が分かりにくい
-
デジタル化に取り残される不安
といった声がありました。
一方、事業者からは
-
情報を発信しているが届いている実感がない
-
デジタルが使えない人が取り残される可能性
といった課題が挙げられました。
シンポジウムで紹介された取り組み
シンポジウムでは、釜石や他地域の事例も紹介されました。
福祉マップ構想
地域の中で
「どこに何があるのかわからない」
という課題を解決するため、
-
みんなのマップ
-
私のマップ
という二つの視点で地域情報を整理する取り組みです。
![]()
地域SNS「mixi2」トライアル
子育て世帯の孤立や情報不足を解消するため、招待制SNSを活用した地域コミュニティ
「かだってかまいし」の試験運用を行っています。![]()
富山県黒部市の事例「GOトレ」が紹介されました
富山県黒部市では街を丸ごとデイサービスという発想で、高齢者の外出機会を増やす取り組みが行われています。
ここでもデジタルは効率化ではなく、人をつなぐ道具として使われています。
![]()
デジ町(防災LINE・町内会LINE)
釜石ではLINEを活用した地域ツールの検討も進めています。
防災LINE
→ 最寄り避難所を検索町内会LINE
→ 回覧板・会費・安否確認将来的には
見守りネットワーク
としての活用も検討しています。
![]()
![]()
![]()
:シンポジウム当日の様子
今回のシンポジウムから見えてきたこと
今回の報告は分野こそ違いますが、すべての事例に共通していたのは
地域のつながりをどう維持するかというテーマでした。
防災の本質は平時のつながりの密度にあります。
そして福祉とは関係が途切れない状態を保つこととも言えます。
福祉と防災は、同じ地域課題の両側面なのです。
今後に向けて
今回紹介した取り組みは、まだ途中段階のものが多くあります。
成功だけでなく失敗や反省も含めながら、
-
福祉
-
防災
-
デジタル
を組み合わせた地域の仕組みづくりを進めていきます。
釜石をフィールドに、今後も様々なトライアルを続けていきたいと考えています。
-












