「ひらめく芸術、きらめく文化のまちをつくろう」のキャッチフレーズのもと、
釜石芸術文化協会主催の釜石市民芸術文化祭が
11月2日(金)から4日(日)まで開催されました。
例年使用していた文化会館や青葉ビルが東日本大震災によって被災したため、
昨年度からは釜石市中妻(なかづま)体育館での開催となりました。
「芸術文化活動を通じて震災で傷ついた市民の心に豊かな生活を取り戻したい」
という願いを込めて昨年度から発表部門と展示部門をひとつのフロアで開催する他、
休憩スペースや呈茶コーナー、大阪からのボランティア団体によるハンドマッサージも
行われました。
マッサージを受けながら作品を鑑賞したり居合わせた方とお話しをしたりと
みなさんとてもリラックスした様子で芸文祭を楽しんでいました。
展示スペースには華道、書道、ステンドグラス、写真、盆栽など
22団体の作品が展示されました。
なかでも一際目をひいたのがリボンフラワー愛好グループの作品です。
白やピンクなど約250輪のコスモスがすべてリボンで作られています。
震災に耐え、瓦礫の中から美しく花開いたコスモスの姿に「私たち人間も決して諦めず、
自分たちの力を信じて力を合わせて頑張ろう」という気持ちにさせられます。
こちらは山野草の愛好グループの作品です。
福岡から釜石復興のエールと共に届いた竹細工のカブト虫とクワガタを添えて
ひとつの作品になりました。
地域復興のために全国の方々から今尚届く暖かい支援に感謝の気持ちでいっぱいです。
写真の愛好グループの作品の中にも震災をテーマにしたものがありました。
女の子が家族と一緒に海にお花を投げる写真は、胸にぐっとくるものがありました。
隣には避難所で身を寄せ合っている姿が写されていました。
震災直後の、あの壮絶な生活が思い出されます。
電気もガスも水道もなく、寒さに震え、当たり前のように何でも出来た事は
本当は当たり前なんかじゃなく、すごく恵まれた事だったのだと思い知らされました。
クリスマスツリーやお雛様など様々なモチーフのステンドグラスの作品や
鮮やかな色合いの原色押し花の作品など、沢山の作品をひとつひとつじっくりと眺めて
「きれいだね。どうやって作るの?すごいね」と嬉しそうに話す方や、
どっしりとした盆栽を前に出品者の方と熱く語りあっている方もいました。
(ちなみに私は押し花と言えば本などに挟んで作る変色してしまうものしか知らなかったので
原色押し花を見た時は大変驚いてしまいました!
乾燥剤などで急速に脱水・乾燥させると色鮮やかなまま押し花に出来るそうです。)
こうして作る側・見る側がひとつに集まって交流を持てる・感想を直接伝えられるというのも
釜石の文化の発展に繋がりますし、お互いの作品を認め合い励まし合うことで
心が癒されたり満たされたり、次の作品作りの原動力になるのだなと感じました。
来場された方も出品者の方もみなさん終始笑顔で、とても活気があった芸術文化祭でした。
展示部門は11月4日で終了していますが、発表部門は
18日に釜石ステーションホテルにて劇団青い海さん
25日に大槌町城山(おおつちちょうしろやま)体育館にて釜石市民吹奏楽団さん
の発表があるそうです。
お時間がある方は是非足を運んでみて下さい。