4月5日の全線再開を控えた三陸鉄道南リアス線で、4月2日(水)新型車両試乗会を兼ねた
避難経路確認会が行われました。当日は取材人を含む地域の方々、およそ30人が
三陸鉄道南リアス線釜石駅前に集合しました。
震災以来3年ぶりにホームに立ち、乗車予定の新型レトロ列車を待ちます。
間もなく、列車がホームに入ってきました。
車内は落ち着いた雰囲気。この車両にはバリアフリー対策がとられており、
車いす用のスペースやトイレも広々しております。
走りだすとすぐに、3月14日にオープンしたばかりのイオン釜石市店や
写真:右手前が45号、左奥が迂回道路
45号線のかさ上げ工事が進む松原地区が見えます。
平田(へいた)駅を通過し、唐丹(とうに)駅に到着すると、 避難訓練について説明がありました。
この先、熊の木トンネルT入り口で避難訓練が開始します。
※熊の木トンネル盛(さかり)方面に出たところは東日本大震災の津波被害により、
線路がねじれ切断されていました。
訓練開始、車内に岩手県沖で震度6強の地震が発生し、大津波警報が発令された事が
伝えられ、乗務員の指示に従って高齢者、お子さん、女性、男性の順番に非常用はしごを
使って、車外に避難していきます。
全員が降りたことを確認後、津波避難場所まで歩いて移動しました。
訓練時間20分ほど。東日本大震災と同じ規模の地震と津波を経験された 参加者の方々、
どのように感じたのでしょう。
訓練が終わると、列車はさんりく駅で折り返し釜石へと向かいました。
帰りの列車の中では、参加されたみなさんより
「こんなに早く開通するなんて、本当にうれしい」「避難訓練は定期的にやった方がよい」
などの感想がありました。
東日本大震災から3年で全線運行開通となる南リアス線は地域の私達にとって
本当にありがたい事です。車窓からの風景は、空き地やかさ上げなどの工事現場と、
大きく様変わりしていますが、地域の足としてみなさんに利用して頂きたいです。
また、市外、県外から訪れる方々には被災地の現状を見て、感じてほしいと思います。
この春、釜石商工を卒業し、4月に三陸鉄道に入社した松本祐太さん。
震災から3年間、大変な時期に高校生活を過ごし、社会人として一歩を踏み出しました。
この日、入社2日目。これからが楽しみですね。
4月5日(土)は運行再開イベントとして11:00~15:00まで
釜石駅、平田駅、唐丹駅、盛駅でイベントが行われます。
是非、足をお運びください。